後藤とみかず

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中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~⑥

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民衆レベルでつながっている日本と中国    今日本と中国、交流がすごく深まっています。先日、日中友好協会にクロスFMから取材が来て、30分間話してくれという依頼がありました。中国脅威論が盛んに言われているけれども、本当にそうなのか、そのことを話してくれということでした。その時に、日中友好協会だけではなくて、中国から来ている留学生もぜひ呼んでくださいと言って、一緒に参加することになりました。この留学生は、私の長女と呼んでいるんですが、中国からの留学生です。日本で幼稚園の先生をしていました。福岡教育大学の大学院まで行って、幼稚園の先生をしています。若者たちは、中国と日本の国境を軽く越える。文化の違いも軽く越える。そして彼女は幼稚園の先生として日本の子どもたちの教育をしている。  今本屋さんに行けば、売れるから、中国脅威論とか、嫌中国とか、そういう本をヘイト本というのですが、いっぱい並んでいます。週刊誌もそんなネタばかりです。 たとえばPM2.5、北京から毒ガスが来るなどと書いているんです。馬鹿かと思いますよ。PM2.5というと中国だと思っているでしょう。PM2.5の問題は10年以…

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中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~⑤

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日本を侵攻するようなことをすると中国の政権がもたない    ご存じだと思いますが、今アメリカは中国と蜜月です。これはオバマさんの言葉です。「アメリカは中国が平和で安定的に台頭し、世界で責任ある役割を果たすことを歓迎する」と言っています。さっき言いましたように、安倍さんがあれだけ苦労して安保法を通して、ほめてもらおうとしてアメリカに行ったのに、オバマさんは会わずに習近平さんと会っていたのです。今アメリカがどっちを大事に思っているかというのはすぐに分かりますね  今アメリカと中国は一緒に軍事演習をしています。自衛隊と米軍が軍事演習をするというのはよく聞きますね。でも中国軍とアメリカ軍が一緒に軍事演習をしている。敵同士だとそういうことしますか。米中間で戦争を起こそうとしても、起こしようがないわけです。まして今中国を怒らせて一番困るのはアメリカですよ。中国がよそを向いたら、潰れるのはアメリカですからね。  ここまで見てきて、「中国脅威論」というのは、中国の脅威ということではなくて、日本の国際社会での地位が落ちてきている、そのことを認めたくないバブル世代の人たちが、かつての日本の栄光の…

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中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~④

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駆けつけ警護でやろうとしていること    もうひとつ、これから自衛隊が担うことになる「駆けつけ警護」があります。駆けつけ警護というのは、例えば武装グループからNGOや国連職員、外国の部隊などが襲撃を受けた。この時に自衛隊が駆けつけて、NGOや外国の軍隊を警護するということです。安保法制成立後の自衛隊の駆けつけ警護適用の第一弾は、南スーダンです。本来は今年の2月に作戦が開始される予定でした。しかし安倍総理はこれを今年の9月に延期しました。何故か。もし作戦を開始して自衛隊員に死者が出たら、参議院選挙はどうなりますか。もし自衛隊員が南スーダンの、何の罪もない人を殺したらどうなりますか。あれほど強引に法案を通して、その適用は参議院選挙の後に先送りしました。ということは参議院選挙が終わった今から、南スーダンへの駆けつけ警護がスタートするわけです。  それでは南スーダンは日本とどういう関係があるのかということです。南スーダンはエチオピアの西側にあって、首都はジュバです。あんまりお馴染みではない国ですね。この南スーダンに各国が軍隊を派遣しています。アメリカは6人派遣しています。一番多いのは…

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中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~③

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中国の軍事力は本当に突出しているのか    次に「中国脅威論」の時に出る話として、軍事力のことがあります。これを数値で見てみましょう(図6-1)。軍事費で見ると、確かに脅威的なんです。世界の軍事費では、なんといってもアメリカが突出しています。2位が中国、3位ロシア、日本は8位です。2013年のデータですが。ドイツが7位。日本には軍隊がないはずですよね。でもあの装備はどう見ても軍隊です。  軍事費は国の国力によって必要になってくるという側面があります。一般的に言われているのは、GDPの2%程度が普通の国の軍事費だといわれています。それで見ると、おおむね各国2%くらいですね。中国はちょうど2%です。だから突出して軍事大国というわけではなくて、普通のレベルです。フランスやイギリスはもうちょっと高いけど、2%台。サウジアラビアが9.3%と突出していますが、これは石油マネーで最新の兵器をジャブジャブ買ってしまうからという側面があります。アメリカはやっぱり異常です。普通の国の倍、軍事費に使っている。日本とドイツが1%台。これはやっぱり敗戦国だからです。この2つの国はかつて世界中に迷惑をか…

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中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~②

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世界の国々から見た日本と中国  次に先進国の中で、アメリカ向けの輸出がどうかを見ていきます(図1-8a)。2004年までは、アメリカ向けの輸出は、日本と中国は同じくらいでした。それ以降、日本はあまり変わらないけれど、中国の伸びがすごい。これをアメリカから見るとどうでしょう。アメリカにとって中国は大切な貿易相手国ということになります。  ではヨーロッパはどうか(図1-8b)。これも2004年くらいまでは日本も中国も同じくらいの存在感だった。ところが今や3倍くらいの差がつけられている。アジアではどうか(図1-8c)。アジアの国々に対しても、2006年くらいに逆転して、以降は差が開くばかり。このグラフを見るのは嫌でしょう。去年この勉強を始めて、グラフを見たときはショックでたまらなかったのです。私の息子は12歳です。この子が大学を出て社会に出るときに、日本の社会はどうなっているだろうか。この感じで行くと、うちの息子が社会に出る頃の外資系企業というのは、中国系ですよ。今でも電化製品の企業で純日本というのはあまりないでしょう。  次に中南米を見ると、全然話にならないですね(図1-8e)。アフリカで…

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中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~①

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今日は中国についてお話をしますが、僕自身と中国との関係はそれほど長い付き合いではありません。初めて中国に行ったのは、10数年前、弁護士になって1年目の時に、事件の関係で北京に行ったのが最初です。その時の事件は中国人強制連行事件でして、福岡県がまさにその現場ですね。三池や筑豊、福岡市近郊の炭鉱に中国の青年たちが連れてこられて働かされたという事件です。あの事件を担当しました。それで初めて北京に行って、僕にとっては初めての海外旅行だったのですが、本当にびっくりして、10代の時に来ておけばもっといい人生が歩めたのにと思いました。本当に井の中の蛙だったなと思いました。北京に行きますと、「ああ、ここが世界の中心なんだ」と思いますね。北京の人は自分たちが世界の中心にいると思っていますからね。行ってみますと、京都とか、韓国のソウルとか、そういう都市は中国のミニチュアなんだと思えてきます。それくらい大きな都市ですね。   感情を抜きにして、データを素に考える    中国脅威論というのは本当かというお話です。天神でスタンディングをしていると、反論を仕掛けてくる人はだいたい「そうは言って…

コラム

国際連盟脱退と今の日本

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安保法制を制定し、憲法を改正して自衛隊を軍隊として世界中で戦闘行為ができるようにしている今の時代を満州事変当時になぞらえる見方があります。 昨年1月、平成天皇が「今年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」と述べたのも同じ危機意識に基づいたものと考えられます。 満州事変から第二次世界大戦終結までを描いた船戸与一さんの小説「満州国演義」を読んでいます。 風の払暁 満州国演義一 (新潮文庫) 船戸 与一 いよいよ最終巻「残夢の骸 満州国演義9」に入りました。 インパール作戦の失敗、サイパン島の陥落。 それがどういうことなのか、国民に何を強いることなのかを自分の頭で考えることなく、言われた仕事をきちんとこなすだけの官僚組織。 保身を図る政治家と軍人。その自己保身を隠すために日本中に標語が溢れる。「八紘一宇…

特集 / 記事

18才選挙制について

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日本の選挙制度とわたしたち 選挙は、投票を通じて私たちの代表者を選び私たちの意見を政治に反映させるためのシステムです。憲法は「個人の尊厳」を最大の価値とし、権力者の横暴から「個人の尊厳」を守るために権力者を縛るものです。その権力者を縛る仕組みの一つが選挙です。選挙を通じて私たちの権利を実現する政治家を選び、私たちの権利を阻害する政治家を落選させる、私たちの選んだ代表者に議論させ意見を調整することによって権力者の専横を防ごうとしているのです。 しかし、今の日本の選挙制度は小選挙区制を基本としており、国民の意見が正確に政治に反映されているとは言えないのが実情です。小選挙区制とは一つの選挙区から議員1人だけを選出するというものです。1票でも多ければそれが全体に意見になるというものです。実際に日本の選挙では、全有権者の25パーセントの票を得ていないのにもかかわらず60パーセントを超える議席を得るということが起こっています。 また、20代と60代の投票率を見ると、60代はおよそ7-8割が投票に行くのに、20代は3-4割しか投票に行っていません。そればかりか、そもそも60代に比べて20代の人口は少…

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