<衆院選結果にみえた一筋の光明>

10月22日投開票の第48回衆議院議員選挙は、政権与党の自民・公明両党が310議席を獲得し、衆議院の3分の2議席を確保する結果となりました。また、憲法改正という観点からみれば、希望の党と日本維新の会を合わせた「改憲勢力」の議席は大きく膨らみました。
各党の主張は異なりますが、今後、改憲に向けた動きが加速していくとみられます。
 

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国民は安倍政権を支持したのか

 

今回の選挙結果には強い違和感をおぼえます。当サイトでも扱ってきたように、安保法制や共謀罪をはじめとする度重なる強行採決、森友・加計問題などに象徴される国家の私物化、“数の力”で推し進める安倍政権に対して多くの国民が反対姿勢を示しています。

 選挙戦を通じて行われた各社の世論調査では不支持率が支持率を上回り、政権交代をのぞむ声も過半数を超えました。選挙後に行われた世論調査でも、国民の過半数が「与党3分の2は多すぎる」と答えています。国民の思いと大きく乖離した選挙結果だと思えてなりません。

 自民党は、289議席ある小選挙区において、約2、650万票を集めて215議席を獲得しました(得票率約48%)。戦後最低レベルの投票率を加味すると、すべての有権者のうち自民党に投票した人は4人に1人しかいません。それにもかかわらず、自民党は小選挙区で4分の3議席も獲得しています。

 小選挙区比例代表並立制の弊害であり、いかに民意が反映されていないかがわかります。

安倍首相は、選挙結果を受けて「国民の信を得た」としています。選挙制度に助けられたのは明らかであり、信じがたい発言です。
国民は安倍政権に信任を与えたわけではありません。
 

戸惑いと広がる懸念

 
「大義なき解散」といわれた今回の選挙では、民進党が公示日直前に分裂するなど混乱した有権者も少なくなかったと思われます。

民主主義を私たちの手に取り戻すために、これまで市民と野党が築き上げてきた絆が断ち切られ、多くの有権者は裏切られ戸惑いをおぼえたことでしょう。

「自民党対野党共闘」の対決構図が崩れ、政権批判票が分散したことも自民党を大きく利する結果となりました。

安倍首相の解散表明後、メディアが連日のようにスポットライトを当てたのは小池劇場でした。
結果的に、希望の党は小池代表の排除宣言やスローガン先行の姿勢などその性格が見透かされ、「絶望の党」と揶揄され失速しました。

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 安倍政権のこれまでのあり方が問われる選挙。

メディアは、安倍政権が実施してきた政策やその政権運営の是非、公約の中身など、有権者が冷静に判断できるような材料を優先的に提供すべきだったと思います。政権への不信が広がる中での選挙でしたが、結局、選挙を通じて森友・加計問題について安倍首相から納得のいく説明を聞くことはできませんでした。

 小池劇場に踊らされたメディアの報道姿勢が、結果的には最大の争点である「安倍政治の是非」をトーンダウンさせ、自民党への批判をそらすことに繋がったのかもしれません。

 改憲を公約に掲げた自民党でしたが、選挙戦ではこのテーマについて正面から言及することを避け続けました。

信を得たと虚勢を張る安倍政権は、偽りの数を頼みに近い将来、憲法改正を推進していくとみられます。
さらに、格差拡大を助長する「アベノミクス」、働き手にとって深刻な問題が指摘される「働き方改革」、北朝鮮情勢をめぐる武力行使をも窺わせる「圧力一辺倒の外交」など、私たちに災難をもたらす政策が強引な政治姿勢で進められることが懸念されます。
 

国民の意思が示したものとは

 
悲観的な話ばかりが続きましたが、選挙結果には一筋の光明もみえました。

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 選挙直前になって発足した立憲民主党の躍進です。立憲民主党は、希望の党の小池代表が強要した安保法制容認や改憲支持の踏み絵を突っぱね、野党共闘の柱となり、立憲主義と護憲を訴える共産党や社民党とともに民意の受け皿となりました。崩壊しかけた野党共闘を繋ぎ留め、民主主義の土台をつくって安倍政権を良しとしない有権者に選択肢を示したのです。

 今回の選挙で唯一議席を伸ばした立憲民主党。急ピッチで結成したにもかかわらず、瞬く間に支持を広げて54議席を獲得。安保法制反対や憲法9条改正反対を公約に掲げた立憲民主党への支持は、まっとうな政治を望む国民の意思であり、安倍政権の強引な政治手法や国民置き去りの政策に批判的な民意の表れです。

 私たちがつくる政治。政治によってつくられる私たちの生活や暮らし。

未来を選択するのは私たちです。選挙結果でみえた光に希望を抱き、今後もIPOSは政治に正面から向かい合い、私たちの声を政治に反映しいく。そのような活動を続けていくつもりです。
アイポス編集部
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