彼ら彼女らの活動の活発さ、規模の大きさは、もちろんメンバーのモチベーションや能力の高さによるところもありますが、一番は支援をしてくれる存在がしっかりといることだと感じました。

青年文化フォーラムにおいては、実業家が多く出資して運営資金を賄っています。そのほかにも、議員や自治体の首長なども支援を表明してHP上で応援動画を見ることができます。また、プロスポーツ選手や歌手なども同様に支援のコメントを寄せていたりします。日本に比べて、社会全体としての市民運動への関心の高さがうかがえます。

また、そうした市民運動への支援の意識の高さは対象が若者団体だからというわけでもありません。

 

〇参与連帯

S_6989504251488
参与連帯(http://www.peoplepower21.org/)は、政権の監視と政策の提案、また市民の政治参加を目的として設立された韓国でも有数の有力な市民団体の一つです。2万人もの会員が所属しており、その会員が会費としてそれぞれ1000円を毎月納めています。その豊富な資金をもとに、自前でビルを持ち活動の拠点とし、様々な活動を展開しています。
S_6989517034665

特筆すべきはその政策提案能力で、多くの専門家、学者が所属し、海外の様々な事例を詳細に調べ上げ、自治体に対して政策の提案を行っています。韓国における市民運動では多くの寄付が集まり、専従スタッフを雇って運営にあたることが普通だそうです。そういった面でも、ボランティアといった性質の強い日本の市民運動とは大きく異なっています。

ここまで、韓国の活発な市民運動とそれを支える多くの市民の支援を書いてきましたが、ではなぜ韓国の人々には市民運動を支援するという文化が定着しているのでしょうか。通訳兼案内人としてコーディネートしていただいた田中博さん(韓国在住)の方に伺いました。
曰く、韓国の人々の根底にはキリスト教由来の寄付の精神が根付いていることと、戦後自分たちの力で経済の発展と民主化を勝ち取ってきた自負がこうした活動への支援に繋がっているのだということでした。

 

<韓国の市民運動にみる、日本市民運動の今後>

日本国内には、韓国を民主主義発展途上国だと見る言説が多く見られます。しかし、私が直接現地で見聞きし感じたことは、そういった風評とはまったく異なる姿でした。

もちろん、韓国においてもすべての人が社会問題や政治問題に対する関心を高く持っているというわけではありません。大学生共同行動という、現在ソウル市の慰安婦像の横にテントを張り、撤去されないように見守っている学生団体があります。彼らがいうには、韓国でも社会問題に若者が関わることに対する抵抗はあり、親から止められたり、就職に不利になったりということもあるそうです。けれどしなければいけないからするんだ、とインタビューに答えてくれた彼女は力強く言いました。
S_6989522788397
しかし一方で、社会をよくしようとする人や団体に対して支援をしようとする人も多くあり、そういった人々に支えられた市民運動が着実に力をつけてきたからこそ、100万人規模のキャンドルデモが生まれ、市民が望んだ政権交代ができたのです。

そういった点において、日本は韓国に学ぶべきことが多くあるように私は思います。それは、一朝一夕にできるものでもなければ、特定の一つの世代の変革によって達成されるものではありません。戦後70年の節目にあって、右派政権による強硬な執政の数々は私たちを焦らせます。しかし、目の前の課題に対応するだけでなく、十年二十年、場合によっては五十年以上先を見据えて、私たちは活動していかなければいけないように思います。

 

 

 

 

1 2 3
アイポス編集部
アイポスは政治をもっと身近に感じ、生活と政治の関連性を見出す情報を発信します!