2017年12月23日、クリスマスイブを前日に控えたその日に都内で「第6回ブラック企業大賞2017」授賞式が開かれた。

「ブラック企業大賞」とは、ブラック企業が生み出される「背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくること」を目的に、2012年からジャーナリストや弁護士、学者らで構成している実行委員会がブラック企業をノミネートし、発表している。
(「ブラック企業大賞」HP:http://blackcorpaward.blogspot.jp/

「ブラック企業大賞」では、「ブラック企業」を次のように定義している。

ブラック企業とは・・・①労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業、②パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)。

ちなみに2016年は広告代理店の「電通」が大賞に選ばれた。

電通では、2015年12月25日に24歳の新入社員・高橋まつりさんが長時間労働の末に自殺しており、1991年と2013年にも社員が過労自殺・過労死している。「過酷で人権侵害的な労働環境をまともに改善することもなく放置し続けた」等が受賞の理由だった。

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■2017年のブラック企業大賞は「アリさんマークの引越社」

〇ブラック企業大賞
「株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西(アリさんマークの引越社)」

引越社グループは、男性営業社員をシュレッダー係に配転して、懲戒解雇に。その後、解雇理由を「罪状」と記載して店舗に掲示した。さらに、同様の文面を全従業員に送る社内報に掲載。

〇業界賞
「新潟市民病院」

2016年1月、当時37歳であった研修医を過労自殺に追いやった。研修医が亡くなる前の残業時間は月平均で過労死ラインの二倍に相当する187時間、最大で251時間に上った。また、この悲劇は新潟市が運営する公立病院で起きたということも強調されるべき点である。

〇特別賞
「大成建設・三信建設工業」

2017年3月、東京オリンピック・パラリンピックで使用する新国立競技場の工事現場で働く、当時23歳の男性が自死した。この事案については新宿労働基準監督署が労災認定している。

〇ブラック研修賞
「ゼリア新薬工業」

2013年5月、ビジネスグランドワークス社に委託して行った新入社員研修において、当時22歳の新入社員を精神的に追い詰め、死に追いやった。過去のいじめ体験や吃音について大勢の同僚の前で告白させるといった研修内容であった。

〇ウェブ投票賞
「日本放送協会(NHK)」

NHKの首都圏放送センターの女性記者が2013年7月に心不全で亡くなったのは、長時間労働による過労死だったとして、渋谷労働基準監督署が労災認定した。NHKは、「ブラック企業大賞」のウェブ投票において3,855票と他企業に比べて圧倒的に多い票数を獲得。

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■2017年のノミネート企業

2017年の上述以外のノミネート企業は以下の4社だった。

株式会社いなげや

2014年6月、当時42歳の男性社員が脳血栓で亡くなった。男性の発症前4か月の平均時間外労働は75時間53分に到達。その他にもサービス残業があったことが確認されており、さいたま労働基準監督署によって労災が認定されている。

パナソニック株式会社

2016年6月、40代の男性社員が自殺。これが2017年2月に過労による自殺であったと認定された。男性の残業時間は16年5月には100時間を超えていたという。

大和ハウス工業株式会社

2017年9月、営業職の20代男性に違法な時間外労働をさせ、是正勧告を受けた。同社は、2011年にも労働時間の管理に関して是正勧告を受けていた。

ヤマト運輸株式会社

2016年12月、セールスドライバーに残業代の未払いがあったとして是正勧告を受けたほか、2017年5月にはパート従業員の勤務時間改ざんと賃金の未払いがあったとして是正勧告を受けている。また、同年9月には、博多北支店のサービスドライバーに対して月102時間の残業を違法にさせていたとして、法人としての同社と、同支店の幹部社員2人が労働基準法違反の疑いで書類送検されている。

アイポス編集部
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