2月4日 沖縄県名護市 市長選挙

自民・公明両党などが推薦した新人の渡具知武富氏が当選を果たし、普天間基地の名護市辺野古への移設阻止を訴えた現職の稲嶺進氏が敗れた。

名護市長選から一夜明けた5日、安倍首相は記者団に対して「選んでもらった名護市民に感謝したい」、「基地問題については市民の理解を得ながら、最高裁判決に従って進めていきたい」と辺野古への新基地建設を推進していく考えを示した。

 
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今回の名護市長選で、基地問題に対する名護市民の民意は示されたのだろうか。

当選を果たした渡具知氏は、選挙期間中、辺野古の新基地建設問題に関して直接的な言及は避けて地域経済の活性化をアピールすることに終始した。その結果、これまで辺野古新基地建設について推進派候補が得られなかった公明党県本部の推薦が得た。それだけでなく、現市政を「一つの問題にこだわりすぎて経済の停滞を招いた」と批判して無党派層の支持を広げることに成功したのである。


稲嶺市政では再編交付金に依存せず予算を毎年100億円増やしてきた実績があったが、3選はかなわなかった。
稲嶺氏は今回の選挙について「残念ながら辺野古移設問題が争点となり得ず、はぐらかされてしまった」と振り返る。


稲嶺氏が指摘するように渡具知氏が辺野古移設問題を争点としなかったのは、なぜか。

「沖縄タイムス」が実施した出口調査では、6割以上の名護市民が辺野古移設に反対と答えている。

渡具知氏が辺野古移設問題をはぐらかしたのは、公明党県本部の推薦を得るためだけでなく、争点化すれば名護市民の民意を得られないと踏んだのだろう。

 
名護市長選の結果を「基地移設容認派」の勝利と単純化して捉えるのは危機感を覚える。
そこには、辺野古の移設工事が着々と進んでいく中での名護市民の複雑な思い、苦悩や葛藤が見えてならない。

 一方で国会では、そんなことお構いなしと、自民党の閣僚が沖縄で相次ぐ米軍機事故について「それで何人死んだんだ」と無神経にヤジを飛ばしている。

安倍政権が、沖縄に米軍基地が民意に反して存在し続けていることを認識せず、今回の選挙を機として辺野古移設の推進を強行すれば、国の政策と地元民意の溝は深まる一方だろう。

アイポス編集部
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