信頼される日本になるために

 

 つい先日、ビッグニュースが飛び込んできました。三菱マテリアルが和解しました(写真)。img_8421冒頭にお話ししました、中国人労働者強制連行事件です。戦時中中国の若者たちが、ここ大牟田や筑豊の炭鉱などに連れてこられて、無理やり働かされた。そしておよそ2割の人が亡くなった。こういう事件で、70数年たって、三菱マテリアルは和解をしました。三菱マテリアル、当時は三菱鉱業所です。被害者3,765名に1人当たり170万円を払って、その上に基金を設立し、記念碑を建立する。その費用は三菱が負担する。遺族の方が日本に墓参りに来たいという時は、1人当たり25万円を払う(図)。img_8422遅いと思うかもしれませんが、私はこれはすごく立派なことだと思います。そして強制連行は国策事業としてやられたはずですから、この裁判は企業だけでなく、国も被告になっているんです。今だから言えますが、企業はずっと以前から和解したがっていたんです。反対したのは政府です。だからしびれを切らせて企業だけで和解した。

 ドイツと較べてください。フォルクスワーゲンやベンツは企業がまず謝罪した。それを見て政府は記憶責任未来基金を作って、今や政府の基金としてやっている。だから信頼される。日本政府は今何をやっていますか。本来政府として過去をきちんと謝って精算すれば、日本は信頼されて、商売もうまくいく。なのに中国の危機を煽っている。だから中国との貿易が伸びない。中国からどんどん差をあけられていく。これが今の日本の実情です。企業は死活問題だから、そうはいっておれない。だから政府を抜きにしても、謝って、和解する。

 熊本の震災の時に、いろいろな中国の人が、ネット上で応援のメッセージを流しました。このイラスト(図)を見たときは僕は涙が出ました。img_8423怪我をしたクマモンをパンダが手当てしているという絵です。中国脅威論とか、そんな空疎な言葉で踊らされるのは、本当に馬鹿馬鹿しい。10歩譲って、あなたが中国が嫌いでも、今中国を大事にしないとつぶれるのは日本です。あなたの息子の将来がなくなりますよ、ということです。それを肝に銘じたいと思っています。

   引っ越しできない隣国同士、仲良くしましょう。

 

中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~①
中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~②
中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~③
中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~④
中国は日本にとって本当に脅威なのか~日中関係と安保法制を考える~⑤

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後藤とみかず
1968年生まれ、47歳。 福岡大学法学部卒、2002年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。