市民連合ふくおかにおいて、毎月一回の頻度で市民向けの憲法講座が行われています。そこでの内容を、授業メモ、あるいは議事録という形で公開していきます。

「自民党改憲草案を考える 第一回 憲法とは」講師:横田耕一(九州大学名誉教授・憲法学者)

〇レジュメ

Ⅰ 「立憲主義憲法」の流れと「日本国憲法」

 1 「憲法」という言葉

   聖徳太子「十七ケ条憲法」      伊藤博文『憲法志料』

 Constitution → 根本法、国憲、憲法

 

2 「立憲主義憲法」の意味  → 「近代立憲主義憲法」

 

3 「近代立憲主義憲法」の成立とその後の流れ

   (1689年イギリス名誉革命 1776年アメリカ独立革命 1789年フランス大革命)

 

 資本主義社会の成立 → 資本主義の矛盾拡大 →    「社会主義憲法

    「近代憲法」                   

                          →「現代憲法

 

4 「立憲主義憲法」(本流)と日本の独自性(象徴天皇制、永久平和主義)

 

 

Ⅱ 「近代立憲主義憲法【近代憲法】」の基本原則

 1 前史

    16世紀~ 宗教改革・ルネサンス  ⇒ 「個人」の成立

 

 2 「近代憲法」を根拠づけた考え方 = 「社会契約説」   

  (1) 神の下で「自由」「平等」な「個人」

 

  (2) 「国家」の存在根拠 ・・ 平和の維持

   イ ホッブス的「自然状態」と絶対主義国家

   ロ ロック的「自然状態」と絶対主義国家 → 「近代革命」を理念的に基礎づける

      例 「アメリカ独立宣言」(1776年) 「フランス人権宣言」(1789年)

     ⇒ 自由放任・自由競争(市場経済) → 「消極国家」(「夜警国家」) 

 

  (3) 「憲法」の存在意義とその基本原則

   イ 「憲法とは国家権力を縛るもの

   ロ 国民(人民)が主人公 ・・ 国民(人民)主権 

   ハ 国家はなにをしてはいけないか 

      人権の不可侵性 

   ニ 国家はどのようにして社会の平和をまもるか

      権力分立(三権分立〔立法・行政・司法〕がはやり)・・ 人権が侵されないための工夫 

 

  (4) 「人権」の内容

   イ 個人の尊重

   ロ 自由(自由・所有・安全・圧制への抵抗〔仏〕 生命・自由・幸福追求〔米〕)

精神的自由 ・・ 信じる・考える自由 (「思想・信条の自由」「信教の自由」)

   言いたいことを言う自由(「表現の自由」)【自由】

      経済的自由  ・・ 自分の財産(土地・建物・お金)を自由に使う自由(「財産権」)

     やりたい仕事をする自由(職業選択の自由)【所有・幸福追求】

人身の自由 ・・ 勝手に拘束されたり殺されたりしない自由 【安全・生命】 

= 「国家からの自由」・・憲法上の人権を侵害するのは国家 

   ハ 平等 = 自由であることにおいて平等  いっさいの差別の否定(「形式的平等」)

   ニ 忘れられた人権 ・・ 革命権・抵抗権 【圧制への抵抗】  

   ホ (参政権)

 

 

Ⅲ 資本主義社会の展開と憲法の変容(「現代憲法」の登場)

 1 変容の背景 

(1) 「社会的強者」「社会的弱者」の存在を直視

 

  (2) 社会主義革命の回避 

       → ドイツ・ワイマール憲法(1919年)

 

2 変容の理念

 (1) 「社会的弱者」+α     「社会的強者」-β  ⇒ 「実質的平等」 ×「結果の平等」

 

  (2) だれが+α -β を行うか → 国家観の変容

     「積極国家」(「福祉国家」)

 

3 「現代憲法」の変化内容

 (1) 人権

  イ 「社会的弱者」に 「自由権」+「社会権」(国による+α)

       労働基本権、社会保障(生存権)。教育を受ける権利など

   ロ 「社会的強者」に 「自由権」の制限(国による-β) 

       正義(「公共の福祉」)による経済的自由の制限

   ハ 平等な競争の保障(実質的平等)  

       「異なる取り扱い」の推奨

 

  (2) 統治機構

   イ 行政権の強大化(行政国家)

      迅速性・多様性・複雑性の要請 → テクノクラート(高級技術官僚)

  ロ 裁判所による違憲審査  

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