〇議事録

自民改憲草案考える憲法とは」
  読み飛ばしてしまっていた部分が多い。例:朝鮮学校への支援否定など。
天皇の元首化→国内外での認識はすでに元首。
元首はだれか=国代表する者(例:条約締結権) 。憲法学者の間では内閣ないし安倍首相が元首としてみている。
国旗国歌尊重しなきゃいけないとされる。
公的行為が天皇の権能として加わる → しかし今もそれは天皇の仕事としてみんな認識しているが現憲法では憲法違反?
私たちが「護憲」という場合、どういう内容指して「護る」といっているのか。例えば、9条守れというときに、9条どのような内容と理解して守れと言っているのか明確に
することが必要。それ抑えないまま行動すると、憲法と乖離してしまう。 → 9条理解が先ず必要
衆議院の解散権は総理大臣の専権事項だと言われているが、いったい憲法のどこからでてくるのか。間違いではないか。 → 解散権だれが持つかは憲法学者の間でも意見が分か
れる。
⇒ 「自民改憲草案見るにも、「日本国憲法まず見なければいけない。したがって、この
憲法講座の中で、憲法しっかりと学んでもらいたい。
憲法解釈権は内閣も国会も持っている。内閣提出の法律が違憲である場合は、国会がそれチェックし否決する。安保法制は内閣ガ合憲とし、国会も合憲と判断して可決成立して
おり、それ合憲とするのがさしあたりの公定解釈で、最高裁で違憲判決がでるまではそれは合憲として取り扱われる。私たちや憲法学者のほとんどは違憲と考えるが、安保法制は
三権分立の三権中の二権が合憲と判断している事実は重い。

憲法
「日本国憲法」という場合の「憲法」という言葉は、英語で言えばConstitutionの訳語。聖徳太子の『17か条の憲法』とか、伊藤博文編の『憲法志料』に言う「憲法」とは概念が
異なる。
現在使われている法律用語や社会科学の言葉は多く外国語の翻訳であり、原語の意味は普通の日本語とは意味やニュアンスが異なることが多い。「Liberty」と「自由」、「right」
と「権利」など。「nation」にいたっては外国語では一つの概念が「国家」「民族」「国民」と日本では使い分けている。外国事情勉強するときは、翻訳ではなく原語で理解する
ことが必要で、外国憲法継承した日本の憲法考えるときには、そういった点に注意することが必要(日本語には訳すことが困難な原語も多い)。中国の憲法や法律の用語の多く
は、留学生通しての日本からの輸入。
 「Constitution」にどういう訳語当てるか。初期には「根本大法」「国憲」などの言葉が使われた。そんな中で「憲法」という言葉が使われはじめ、やがて公的な用語となり、
大日本帝国憲法が生まれる。したがって、日本国「憲法」は「constitution」の訳語で、『17か条の憲法』とは別種のもの。

【立憲主義憲法
立憲主義の意味は多義的。憲法と呼ばれる法規範持っている(もっとも広義の定義)。厳密な定義にはいろいろなものがあるが、ここでは「近代憲法」(近代立憲主義憲法)の原則
指すものとして使用する。
ちまみに、民主主義という言葉も同様。「デモクラシー」原語は、主義ではなく制度意味する。この言葉が肯定的な言葉になったのは第一次世界大戦から。それまでは衆愚政治、
ポピュリズムのような状況として認識されていた。ところでいま、民主主義とはなんぞやという話になるといろいろな定義がでてくる。民主主義とは、少数意見も大事にするが最後
には多数決によって物事決めるというのが多くの人の理解?安倍首相や自民党の理解ではそうなりそう。

近年、過去の歴史理解の通説は大きく変わっている。フランス大革命は革命ではなかったとか、鎖国はなかったとか、明治維新の評価とかも過去の通説とは変わっている。特に「発
展史観」は否定される傾向にあるガ、さしあたり、ここでは過去の通説による。
  その基本理念や原則は絶対王政倒した市民革命の中から生まれ、革命成功後にその理念や原則に基づいて作られたのが「近代立憲主義憲法」であり、それは資本主義体制
礎づけるものであった。
しかし、資本主義が発展するにつれ、矛盾が生まれてくる。自由競争による市場経済は、労働者と資本家という階級対立生じる。
この矛盾新しい体制の樹立によって確立しようとしたのが1917年のロシア革命で、この体制基礎づける憲法が、1936年制定のソ連「スターリン憲法」と呼ばれる「社会主義憲
法」である。この憲法は資本主義憲法である「近代立憲主義憲法」とは理念や原則全面的に否定し、自由・平等中核とする「人権」は否定され、権力分立は「民主集中制」に取っ
て代える。
他方、社会主義革命否定し、資本主義の抱える矛盾緩和するために憲法の原則一部修正する流れの中で1919年のドイツ・ワイマール憲法が生まれる。日本国憲法始めとした現
在の資本主義各国の憲法は、そのバックグラウンドの上に存在する。
なお、アメリカ合衆国憲法には修正がなされておらず、福祉などの「社会権」規定がない。
 これらの経過の詳細は次回以後の講座で取り上げる予定で、今回はいわば予告編。

予告編ついでに、今回ふれた点との関係で注意したほうがいい点2,3点。
「人権」は世界的に「普遍的」とされているが、ヨーロッパ(キリスト教)型人権と、中国マレーシアなどの主張するアジア型人権とがあり、社会主義国やムスリム世界ではまた別の
理解がある。同じ「憲法」や「人権」という言葉使っていても、その意味するものは異なっている。などという概念のもとで回っているわけではない。
西洋の「God」の訳語として「神」という言葉が使われているが、本来の日本の「神」概念は八百万の神。日本人は神と人と峻別しない。「神のもとでの平等」という概念日本に
もってくると、天皇の下での平等ということにもなる。
近代憲法の基本は国家に対する緊張関係前提にしている。権力預けた国家の存在根拠と権限明確に定めたものが憲法であり、権力預けたものと預かったものとの間の緊張関
係があって初めて近代立憲主義が成り立つ。そこから、「憲法は国家縛るもの」というのが生まれてくる。なお、人権の侵害の中で、もっとも重要で大きいものは国家からの侵害
であり、いま外国から見て日本における最大の人権侵害の一つは、死刑制度である。
今の憲法は国民の権利守るためのもの。自民改憲草案の前文読むと、憲法制定の目的が日本という国家の維持になってしまっている。それがいいか悪いかは立場の違いによる
が、それは近代憲法根底から否定するものである。
  「日本国」や「国民」という言葉使うとき、それが具体的になに指しているのか、考えてみよう。

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