―平成29年7月九州北部豪雨

 7月5日から6日にわたって福岡県と大分県を中心とする九州北部を襲った集中豪雨。8月1日現在、九州北部豪雨で亡くなった方は、福岡県で33人、大分県で3人になりました。また、現在でも福岡県では6人の行方が分かっていません。一日でも早い復興のため、地域住民の方々やボランティアたちが復旧作業を進めています。しかし、流れ出た大量の流木の処理や雨により一度かき出した土砂が再び家屋に流れ込む事態が起こるなど全面復旧の時期も見通せない状況が続いています。最も大きな被害を受けた福岡県朝倉市では、今も約580人が避難所での生活を余儀なくされており、台風の季節が迫る中、不安な日々を過ごしています。

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―復旧の課題

 九州北部豪雨の被災地では、災害ボランティアセンターが設置されるなど、ボランティアの受け入れが行われています。アイポス事務局も災害ボランティアとして、7月23日、福岡県朝倉市杷木に赴きました。杷木に到着すると、道路の脇には家屋からかき出された土砂や流木が大量に積み上げられており、改めて豪雨被害の大きさを実感。そこで、他のボランティアの方と共同で被害を受けた家屋の土砂のかき出し作業を行いました。シャベルで重機の入れない部分について土砂をかき出しましたが、一日の作業では、一部の土砂しか処理することができませんでした。なかでも、土砂に埋もれた流木、これが作業を進める上で苦戦しました。

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 豪雨によって朝倉市では多くの山で崖崩れが発生し、土砂とともに大量の大木が河川に流れ込みました。流木は道路や橋を損壊。災害廃棄物は、流木だけで20万トン以上にのぼると言われおり、土砂に埋まったり海に流れたりしている流木を含めると実際の量は更に多いとみられています。今回の被害を拡大した一因とされる大量の流木は、復旧作業の妨げにもなっています。現在でも、国道脇や畑などに撤去されていない流木が数多く横たわっており、重機が入れるまで地道に作業を進めるしかありません。
 また、復旧作業でかき出した土砂が、その後の雨の影響で再び家屋に流れ込む事態も起きています。九州北部地方は大気の不安定な状態が続き、避難指示が出れば復旧作業が中断。雨による二次災害の発生も危惧される中、かき出した土砂が雨が降れば、また流れ込み、なかなか復旧作業が進まない状態が続いています。

―5年前にも発生した「九州北部豪雨」

 平成24年7月11日から14日にかけて、福岡県、熊本県、大分県、佐賀県を襲った「平成24年7月九州北部豪雨」は、気象庁により国内で初めて「これまで経験したことのないような大雨」と表現されました。この豪雨により、河川の氾濫や土砂災害が発生し、福岡県、熊本県、大分県では、死者31名の犠牲を出し、道路損壊、農業被害、停電被害、交通障害なども発生し、甚大な被害を出しました。
 今回の豪雨で氾濫した朝倉市を流れる赤谷川や桂川は、平成24年の豪雨の際も氾濫しています。「平成24年7月九州北部豪雨」から5年、福岡県は赤谷川の復旧工事、桂川の川幅拡張などの増強工事を行ってきましたが、“想定外”の豪雨で越水や護岸・堤防の損壊が重なりました。集中豪雨により発生した崖崩れで土砂と流木が家屋を損壊し、川の流れをせき止めて氾濫させた状況も、今回の豪雨被害と平成24年の豪雨被害の類似点です。近年増加する集中豪雨への対策が早急に求められています。

―復興に向けて

 朝倉市では、7月28日、豪雨によって浄水場に土砂が流れ込んだ杷木の水道が安全に飲めるようになったとして「安全宣言」を出しました。これによって、福岡県、大分県で最大2,8000戸以上に上った断水がほぼ解消されました。まだまだ課題は残っていますが、少しずつ復興に向けて進んでいます。
8月1日には、福岡県東峰村の伝統工芸品の小石原焼や地元の農産物を扱う直売所「つづみの里」が豪雨被害から復旧し、営業を再開しました。一時は館内にまで泥水が押し寄せ、陶器など約300点が破損しましたが、被害から一か月経たないうちに営業再開に漕ぎつけました。また、大量の土砂によって止まったままになっていた朝倉市菱野の国史跡、三連水車も8月2日以降には再稼働する見通しです。

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―ボランティアについて

お盆期間のボランティアについて、「朝倉市災害ボランティアセンター」のお知らせを以下、引用します。

8月13(日)、14日(月)、15日(火)は多くの犠牲者が出た今災害のあと初めて迎えるお盆ということで、被災された方々が心静かに過ごせますよう配慮し、災害ボランティアセンターを休所といたしますのでお知らせいたします。ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。
お盆前の8月11日(金)は「山の日」、翌12日(土)は開所しており、連休という方もいらっしゃるかと思います。ぜひ活動にご参加ください。

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 また、朝倉市と東峰村の社会福祉協議会によると、朝倉市では10日以降、活動したボランティアで41人が熱中症になり、うち12人は救急車で病院に搬送されたそうです。東峰村でも8人が熱中症になったといいます。朝倉市宮野のボランティアセンターでは予防のために無料でスポーツドリンクやお茶、塩あめなどを配布していますが、各自で休憩や水分補給に気を配り、体調管理する必要があります。実際、私がボランティアに参加した際にも、熱中症で倒れた男性が救急車で搬送されているところに遭遇しました。また、私自身、日差しが強い時間帯は予想以上に体力を奪われ、一瞬フラッとすることがありました。これまで延べ2万人を超すボランティアが復興の大きな力になっていますが、無理をして体調を崩さないよう、くれぐれも注意しましょう。

 

アイポス編集部
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