マルクス

コラム

言葉の道具箱③~疎外された労働~

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言葉には、私たちの生きる無秩序な世界をきれいに整理してくれたり、ぼんやりと目の前に繰り広げられている現象をくっきりと浮かび上がらせてくれる不思議な力がある。日々生活をしていて何となく気づいていたことが、それを与えられた瞬間、「ずばりそれだよ。私が見ていたものは、まさにそれなんだ!」と急にくっきりと像を結ぶことがある。そのような力である。   本コラム「言葉の道具箱」の第3回目は、「疎外された労働」という言葉を紹介しよう。     疎外された労働  この概念は、19世紀(あるいは20世紀といってもよいかもしれない)の大哲学者カール・マルクス(1818-1883)が発展させ、後に有名になった概念である。マルクスが26歳のときに書いた未定稿を編纂した『経済学・哲学草稿』の第一草稿で考察されている。    まず、疎外(独:Entfremdung、英:alienation、仏:aliénation)とは、「本質的に自分に所属するはずのものが自分自身から離れ、疎遠なものになること」である。ここで問題となるのは、疎外そのものというよりも、疎外されたものによって逆に人間が…

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